ガイド一覧 · 公開日 2026-08-26 · 更新日 2026-09-10
TOEICリーディングが終わらない?75分配分表、捨てる問題の戦略、タイムアタック実践例
「TOEICのリーディングがいつも終わらず、最後の十数問は適当にマークしてしまう……」読み終わらないときは、語彙や読解力に加えて、前半に時間をかけすぎていないか、難問で止まっていないかも確認しましょう。この記事では、模擬試験で練習できる75分の時間配分表、罪悪感なく問題を「捨てる」ためのルール、そして70秒で解く実践的なタイムアタックの例をご紹介します。
まずは数字を確認:75分、100問の現実
リーディングセクションは3つのパートで構成され、合計100問、75分です。Part 5(短文穴埋め問題)30問、Part 6(長文穴埋め問題)16問、Part 7(読解問題)54問。平均すると1問あたり45秒になりますが、この「平均」は大きな罠です。なぜなら、3つのパートでは1問にかかる労力が大きく異なるからです。Part 5は1文を読むだけで済みますが、Part 7の1問の背景には2つ、あるいは3つの文書があることもあります。
問題数や試験時間は IIBC公式サイトのテスト形式・構成 で確認できます。以下の時間配分はハンディ990が提案する練習用の目安です。ご自身の正答率や問題の長さに合わせて調整してください。あくまで目安であり、スコアアップを保証するものではありません。
したがって、時間配分の第一原則は「Part 5とPart 6で節約した1秒1秒が、Part 7のための貴重な時間になる」ということです。練習に使える75分の時間配分表は以下の通りです。
| セクション | 問題数 | 時間 | ペース | 解答のポイント |
|---|---|---|---|---|
| Part 5 | 30問 | 10分 | 1問20秒 | 品詞や文法構造を素早く判断し、知らない単語に悩まない |
| Part 6 | 16問 | 8分 | 1文書2分 | 文脈に沿って読み進め、空所が来たら解答する |
| Part 7(1つの文書) | 29問 | 25分 | 1セット2.5分 | 先に設問に目を通し、本文から根拠となる文を探す |
| Part 7(複数の文書) | 25問 | 30分 | 2つの文書で5分、3つの文書で6分 | 文書間の情報を照らし合わせ、まずは概要を把握する |
| マークの確認と予備時間 | — | 2分 | — | マーク漏れがないか確認し、未解答の欄を埋める |
2つの重要なチェックポイントを覚えておきましょう。この配分表では、試験開始から18分後にPart 7に入り、開始から43分後(残り32分)で複数の文書問題に入り、最後に2分間の見直し時間を残します。 もしチェックポイントを過ぎても遅れている場合は、前半で時間を使いすぎている証拠です。その時は、後述する「捨てる」ルールの発動が必要です。

Part 5、Part 6の時短原則:分からなければ次に進む
Part 5では語彙、コロケーション、文法などが問われます。考え続けても根拠が見つからない問題に、時間を使いすぎないことが大切です。20秒考えても方向性が見えなければ、その時点で最も正解に近いと思う選択肢をマークし、すぐに次へ進みましょう。「もう少し考えたら分かるかも」という期待は普段の練習に留めてください。前半に時間をかけるほど、後半で取り組める問題が減っていきます。また、IIBCの規定では問題用紙への書き込みが禁止されているため、問題用紙に印を残さず、解答用紙の所定欄だけにマークして進みます。
Part 6は、「全体を素早く読み、空所に来たら解答する」というリズムを保ち、空所だけを拾い読みするのは避けましょう。文挿入問題や接続詞の問題は文脈の理解が必要不可欠です。拾い読みをすると、かえって誤答につながり、結果的に時間を無駄にしてしまいます。
Part 7の読み方:設問を頭に入れて本文から根拠を探す
Part 7に対するよくある誤解は、学校のテストのように「全文を精読してから設問を見る」ものだと思い込んでしまうことです。解答中も、問題用紙の本文を何度でも参照できます。すべての詳細を暗記することが目的ではなく、設問を頭に入れた状態で「答えの根拠となる文を素早く見つけ出す」ことが重要です。
実践的なリズムとしては、まず設問だけを読む(A、B、C、Dの選択肢は見ない)ようにします。キーワードを意識し、「どんな具体的な情報を探すべきか」を念頭に置きながら本文をスキャン(拾い読み)し、根拠となる文を見つけたら選択肢と照らし合わせます。複数の文書問題では特にこれが当てはまります。多くの場合、答えを導き出すには複数の文書の情報を組み合わせる必要があります。設問が何を求めているのかを先に把握して初めて、2つ目の文書のどこをスキャンすべきかが分かります。
なぜ「先に設問を読む」ことが効果的なのか、そして情報を素早く見つける能力をどのように鍛えればよいのかについては、速読に関する記事で詳しく解説しています。速く読めるようになるための鍵は、眼球を素早く動かすことではなく、ビジネス文書の定番の型(例えば、冒頭で目的を確認し、逆接の展開は however や unfortunately の後に隠れていることが多いなど)に慣れることです。

タイムアタック実践例:70秒で2問1セットを解く方法
以下では、オリジナルの短いビジネス文書(※学習用のサンプルであり、実際の過去問ではありません)を用いて、「設問を先に読み、キーワードで見つけ出す」という実践的なタイムアタックの流れをご紹介します。
実践問題(短い社内連絡)
MEMORANDUM To: All Staff Members, Apex Logistics From: Facilities Management Date: October 14 Subject: Cafeteria Renovation Schedule
Please be advised that the main cafeteria on the second floor will be temporarily closed for kitchen equipment upgrades from Monday, October 21 through Friday, October 25. Regular food services will resume on Monday, October 28.
During the closure, employees may purchase boxed lunches in Conference Room B between 11:30 A.M. and 1:30 P.M. In addition, management will distribute complimentary coffee vouchers to all full-time staff. To receive your voucher, please present your employee identification badge at the front reception desk before 5:00 P.M. this Thursday, October 17.
Question 1. What is the main purpose of the memorandum?
(A) To introduce new kitchen staff members
(B) To announce a temporary facility closure
(C) To survey employees about cafeteria menu options
(D) To explain changes to the company's holiday policy
Question 2. What are employees instructed to do to receive a coffee voucher?
(A) Submit an online requisition form
(B) Visit Conference Room B during lunch hours
(C) Show their employee identification badge at reception
(D) Contact Human Resources before Friday
時間配分と解答の思考プロセス
- 0–15秒:設問の確認(キーワードを頭に入れ、選択肢はまだ読まない)
- Q1の設問:
main purpose(主な目的)を問う問題。このようなお知らせの目的は、通常第1段落に書かれています。 - Q2の設問:
to receive a coffee voucher(コーヒー券を受け取るため)について。ここでcoffee voucherという具体的なキーワードをインプットします。 - 15–40秒:本文に戻り、根拠となる文をスキャンする
- 最初の1文目をスキャン:
temporarily closed for kitchen equipment upgrades(厨房設備のアップグレードのため一時閉鎖)という記述を発見。これがQ1の根拠になります。 - 第2段落をスキャン:
coffee vouchersという単語を素早く見つけ、続く文を読みます。To receive your voucher, please present your employee identification badge at the front reception desk(券を受け取るには、フロント受付で社員証を提示してください)。これがQ2の根拠になります。 - 40–70秒:選択肢と照合し、ダミーの選択肢を排除して正解を確定する
- Q1の解説:根拠となる文で「temporarily closed」と明記されているため、選択肢 (B)
announce a temporary facility closureが直接的な言い換えになります(正解)。- ダミーの選択肢:(A) は本文にある
kitchenという単語を使っていますが、内容が新しいスタッフの紹介になっています。(C) と (D) は本文に全く記載がない情報です。
- ダミーの選択肢:(A) は本文にある
- Q2の解説:根拠となる文で「present your employee identification badge at the front reception desk」と求められているため、選択肢 (C)
Show their employee identification badge at receptionが完璧に対応します(present = show)(正解)。- ダミーの選択肢:(B) は第2段落に登場する
Conference Room Bを含んでいますが、それはお弁当を買う場所であり、情報をすり替えた典型的な罠です。
- ダミーの選択肢:(B) は第2段落に登場する
70秒というのはこの短いサンプルの練習目標であり、標準的な解答時間やスピードアップを保証するものではありません。まずは実際の所要時間と正答率を記録し、本文の根拠を見つけられたかを確認してください。答えを知った後の2回目のスピードを、実力が向上したと勘違いしないようにしましょう。
捨てる問題のルール:本番で悩むのではなく、事前に決めておく
TOEICのリーディングが終わらない人にとって、試験本番での最大のタイムロスは、難しい問題に対する「悩む時間」です。何度も読み直した末に間違え、後半の問題に取り組む時間まで失うことがあります。ルールは事前に決めておき、本番ではそれを実行するのみにしましょう。
- 事前に決めた時間を超えても根拠が見つからなければ、最も可能性の高い選択肢を解答用紙にマークして次へ進む。 例えばPart 5は30秒、Part 7は本文を読む時間も踏まえて1問80秒ほどを上限の目安に試せます。一律の基準ではないので、模試で調整しましょう。
- 試験時間が残り2分になったら、配分表に従ってマーク漏れを確認し、未解答の欄をすべて埋める。 TOEICは間違えても減点されませんが、空欄は確実に0点になります。
- 後回しにする問題は、自分が時間を使いやすいタイプから考える。 複数文書の情報照合は候補ですが、トリプルパッセージだから必ず難しいとは限りません。根拠がすぐ見つかる問題は取り組み、探す場所も定まらない問題で止まりすぎないようにします。

時間切れにならないための「体で覚えるペース配分」
時間配分は練習によって培われる感覚のようなものであり、本番の気合だけでどうにかなるものではありません。
- 普段の単元別練習:Part 7のセットを解く際は、必ず時間を計ります(2問のセットは1.5~2分、3問のセットは3分を目安にします)。
- 定期的な模擬試験:2週間に1回、75分のリーディング模擬試験を通しで行い、2つの時間チェックポイント(開始18分後と残り32分)の感覚を体に覚えさせます。
- 時間の分析と見直し:復習の際は、間違えた問題だけでなく「時間をかけすぎた問題」も確認しましょう。正解していても長くかかった問題は、探し方を変えられないか、後回しにすべきだったかを検討します。
練習における時間の課題と問題量の配分を、ご自身の全体的な学習計画に組み込んでみてください。もし試験が近い場合は、TOEIC1ヶ月直前対策ガイドを参考にして、集中して時間を計りながら解く練習を取り入れるのもおすすめです。